新刊書紹介『チベット仏教王伝』『全訳アティシャ菩提道灯論』

今日は文化の豊作です。ハーンのところに仏教関係の本が沢山送られてきました。それぞれの著者の皆さん本当に有り難うございました。以下にそれらの本の中でチベットを知るために極めて重要な2冊の本を紹介します。

先ずは今枝由郎先生が監訳した『チベット仏教王伝』(ソンツェン・ガンポ物語)です。

ソナム・ギェルツェン著、今枝由郎監訳『チベット仏教王伝』(ソンツェン・ガンポ物語)/岩波文庫(青498-1)/2015年4月16日刊/ISBN978-4—00-334981-6/定価1,020円+税
ソナム・ギェルツェン著、今枝由郎監訳『チベット仏教王伝』

著者はソナム・ギェルツェン(14世紀の人)もとのタイトルは「王統明鏡史」です。

訳者は浅井万友美・海老原志穂・星泉・三浦順子というチベット語文献翻訳の名人達、そして今枝先生が指導し岩尾さんや熊谷さんや西田さんなど日本チベット学のこれからを担う学者たちが参加した輪読会の試訳稿をもとにした成果です。

この歴史書がチベット文化人に与えた影響は計り知れないほど大きく、チベット人が考えるチベット古代の国家イメージはこの書が作ったと言っても過言ではありません。

2冊目は後伝期のチベット仏教を方向付けたアティーシャの主著『菩提道灯論』の全訳です。

望月海慧訳『全訳アティシャ菩提道灯論』起心書房/2015年3月30日刊/ISBN978-4-907022-08-2/定価7,700円+税
望月海慧訳『全訳アティシャ菩提道灯論』

訳者は身延山大学の望月海慧先生。チベットで同書の註釈として代表的なパンチェン1世やロプサン・ペルデンによる注釈書のそれぞれの訳、詳細な訳註、科段、索引等が完備されています。

望月先生の仕事はとにかく丁寧。訳語も誰にでも理解できるこなれた日本語で、専門的過ぎず一般的過ぎずバランスのとれた訳文です。