新刊書紹介『人とミルクの1万年』

平田昌弘著『人とミルクの1万年』岩波ジュニア新書790/2014年11月20日刊行/本体880円+税/ISBN978-4-00-500790-5

著者の平田昌弘さんは東北大学農学部畜産学科出身で現在は帯広畜産大学の准教授だそうです。『ユーラシア乳文化論』(岩波書店)等で知られる伝統的なアジアの乳文化を研究するフィールド系の学者さんです。

『人とミルクの1万年』

私、ダヤンハーンも本職はチベットモンゴル系の仏教文化を専攻する者なので一応調査地域的には重なりますが、いままでお会いしたことはありません。一度お話ししてみたい。

一般向けに書かれたこの本では世界の搾乳文化特にユーラシアの搾乳と乳加工文化が大変分かりやすく説明されています。チーズなどの加工品の作り方の各地域での異なりを見ているとすごく面白い。子畜の胃袋から作られる凝固酵素、いわゆる「レンネット」の乾燥保存方法やその具体的な利用方法、雄の去勢の習慣との関係など興味深い調査結果がたくさん紹介されています。初めて見聞きする話ばっかりです。

チベットやモンゴル地域の人の原風景の根幹ですので彼らの文化を理解するときにはものすごく重要です。良書です。

『人とミルクの1万年』はアマゾンで販売しています。
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