新刊研究書報告『モンゴル国における20世紀(2)社会主義を闘った人びとの証言』

国立民族学博物館調査報告71『モンゴル国における20世紀(2)社会主義を闘った人びとの証言』小長谷有紀編(国立民族学博物館 2007年)B5版366頁

国立民族学博物館の小長谷有紀先生が新しい研究書を発表されました。国立民族学博物館調査報告71『モンゴル国における20世紀 (2)社会主義を闘った人びとの証言』小長谷有紀編(国立民族学博物館 2007年)です(非売品だけど民博に行けば買えます)。

モンゴル国における20世紀(2)社会主義を闘った人びとの証言

この本はモンゴルでの民主化以降 1990年代から様々な方面で行なわれてきた、いわゆる「過去に語る事ができなかった証言」のいくつかを採録するものです。

語り手は、追放を生き抜いた政治家で博学者ローホーズ氏や新生モンゴルの初代大統領のオチルバト氏等いずれも今のモンゴルを作ってきた張本人達です。

彼等の生の語りを淡々と記録していくこの手法は小長谷有紀先生の独特のスタイルです。モンゴル現代史の重要な資料となる本なのです。

序文にさりげなく書いてあった小長谷先生の次の文章にどきっとしました。

「社会はその歴史をやり直すことはできないが、それについて語り直すことはできる。時代のもたらした罪を繰り返さないために、語り直しが求められているのであると私は思う」

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