「西蔵大学芸術系工房」報告

チベットのラサにある西蔵大学芸術系教授のテンパ・ラプテン先生が指導するタンカ(軸装仏画)工房と大学内にあるタンカ用鉱物色材工場を調査して来ました。

テンパ先生宅で談笑

テンパ先生はチベットでのタンカ研究の第一人者です。歴史的研究にも技法的な面でも数々の業績が公刊されています。昨年には西蔵人民出版社から『漢蔵蔵漢美術詞典』を出版され、チベット美術研究者たちはおおいに先生の恩恵を受けています。

今回のハーンの西蔵大学訪問には二つの目的がありました。

第一番目は、来年度に計画されているチベット仏画の様式に関する国際シンポジウムの打ち合わせです。

工房内の風景

ハンブルグ大学のジャクソン教授やウランバートルのプルバト教授を迎えてチベット仏教文化圏の中の様々な様式に関して討議しようというこのシンポジウムにテンパ先生は欠かせない人物なのです。

打ち合わせの結果、先生には中央チベットの様式の変遷について発表していただくことになりました。工房内ではツェリントプギェル絵師がテンパ先生の片腕として20数名の弟子達を指導しておられました。

色材工場

もうひとつの目的は以前から続けているタンカの色材についての調査です。

主として鉱物色材を使用するチベット絵画は、伝統の断絶から深刻な状況を呈しています。つまりネパールや最近のラサの土産物屋さんでうっているタンカはへたをすると日本製のポスターカラーで描かれたものまであります。時間がたてば剥落したり色褪せしたりするしろものです。

この状況をなんとかしようとテンパ先生は様々な古文書の研究を数十年来続け、天然鉱色材を独自に製造して提供することを決意し工場を大学内に建立したのです。

現在その色材工場を管理しているのはガワンジクメ−助教授です。

ガンデン僧院参拝

ラサ近郊でも仏教文化の復興は以前にも増して活発になってきました。たくさんの寺院で再建や壁画等の整備がすすめられています。

ラサ近郊の大僧院の中でもガンデン僧院の復興は著しく、今回は久しぶりに参拝して来ました。数年前に来た時にはまだ集会堂(ドゥカン)の壁画製作の途中でしたが、今回行ってみるとその他の建物、チャンツェ学堂やシャルツェ学堂なども立派に再建されて問答による学問も確実に戻りつつあります。

ラサ滞在中にたくさんのチベット研究者に会いました。アメリカのキャベゾン教授やドレイフィス教授とも久しぶりに一緒に食事をして楽しく談笑しましたが、日本人(元チベット人)チベット関係者も一同に集まって晩飯を一緒に食べました。

何もの?

この写真を見て誰だか分かるでしょうか?ぜんぶ分かったらかなりのチベット通です。この集まりには長田さんも来る予定だったのですが、残念ながら欠席でした。しかし携帯電話の威力はすごい。集合をかけたら数時間で15人程が集れるのですから。

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