今枝由郎著『ブータン中世史、ドゥク派政権の成立と変遷』大東出版社 2003年2月 ISBN4-500-00685-0 C3022
はじめて日本語で書かれた本格的なブータン史の研究書が出版された。著者はブータン研究の第一人者と評価される今枝由郎博士(フランス国立科学研究センター主任研究員)、実はこの本は今枝氏がフランス語で書いた博士論文(1987年)の邦訳であるので、今枝氏は著者であり訳者でもある。
チベット学を専門とする研究者はブータンというとチベット文化の観点からしか今まで見ようとしなかったきらいがある。
チベット中心的なアプローチだけではブータンの独自性が見えなくなってしまう。
チベット文化が大中国文明の一部だというような暴論が認められないのと同じように、ブータンはあくまでブータンであってチベットの一部ではない。
この当然とも言える観点を今一度強調する必要があることをこの書を読んでいると思い知らされる。
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